近年では多くのビジネスのシーンでWEB制作の専門用語が飛び交うようになっています。また、普段何気なく使用しているWEBの専門用語でも、「実はあまり理解をしていないけど使っている」ということもあるのではないでしょうか?
今回の記事では実際の現場経験がある現役のエンジニアの私が初心者にもわかりやすくWEB制作の現場でよく使用される専門用語をピックアップして簡単に解説して行きたいと思います。
専門用語を理解して日頃の現場で活用し、業務の効率化ができるようにしていきましょう!
WEB業界の専門用語が多すぎる理由
WEB業界ってどうしても専門用語が飛び交っていて難しい世界に感じてしまいますよね。なぜそういった専門用語を使用したコミュニケーションになってしまうのか、まずは理由を解説します。
WEBサイトは様々な専門的要素が集まった集合体
WEBサイトとはデザイン、プログラミング、マーケティングなどの要素が入り混じって完成する専門的要素が多いものになります。なので自然とそれぞれの業界で使用する専門用語がコミュケーションとして使用されているため、全体で色々な用語が飛び交ってしまうのが原因の一つだと思います。
専門用語を使用した方が簡潔に説明しやすい
実はWEB制作の実装内容や実現したいことを専門用語を使用せずに説明しようとすると、かなりわかりづらい文章になります。例を挙げてみます。
サービス紹介ページ制作の会話例
専門用語を使用した場合
「既存のLPを参考にCMSを活用してサービス紹介ページをペライチで制作してほしい。
MVとTDK以外のコンテンツに使用するテキストはママでOKです。一旦FWできたら見せてください。」
専門用語を使用しない場合
「既存の1ページで完結しているページを参考に初心者でも簡単にページを作成や更新できるシステムを活用してサービス紹介ページを1ページで制作してほしい。
サイト上部のメインの画像とタイトル・サイトの説明部分・キーワード以外のコンテンツに使用するテキストはそのままでOKです。
一旦、制作するページの必要な要素を整理したものができたら見せてください。」
さて、どうでしょうか?
専門用語を使用しなかったら、理解はギリギリできるかもしれませんが正直かなりわかりづらいですよね。
これくらいWEB業界では専門用語を使用しないと、円滑にコミュニケーションを取ることができません。
プログラミング言語の全てが英語である
WEBサイトはプログラミング言語で制作されているのはご存知かと思いますが、言語の文字は全て英語だと思います。
英語を日本語に変換する場合、なかなか説明が難しいものって多いですよね?
WEB業界では特に一言で説明するのが困難な英語をさらに頭文字を繋げて省略している専門用語が多いので、よけいに難しくなっています。
理解しておかないと困ること
WEB業界の専門用語を理解していないとどのようなデメリットがあるのか解説します。
仕事内容を理解ができない
専門用語の内容を理解していない状態だと何をいっているのかわからないはずなので、仕事の内容や進捗を把握することが困難です。
そんな状態で業務を遂行することは難しいと思いますので、必ず自分の周りで使用する専門用語は意味までしっかり理解しておきましょう。
技術者とのコミュニケーション
デザイナーやエンジニアなどの技術者と打ち合わせを行っていると、相手が理解しているかどうかは気にせずにに専門用語をバンバン使用してくる方もいます。
そんな時に「この言葉の意味って何ですか?」といちいち確認していると円滑にコミュニケーションを取ることができません。
逆に技術者に指示を出すときも専門用語がないと「それって〇〇のことで間違い無いですか?」と専門的な用語を使用して返されたりすることもあります。
専門用語を使わず説明するのが難しい
先ほどの専門用語が多すぎる理由でも解説したように、専門用語を使用せずに説明しようとすると、どうしてもわかりづらくになってしまいます。
そのため、省略したり簡単な言葉に変えたりして、効率的にコミュニケーションが取れるように進化した結果が今の状態になります。
用語の全てを知っておく必要はない
ここまで読んだ方の中で以下のようなことを思っている方もいると思います。
- ・全部の用語を理解するのが大変そう・・・
- ・多すぎて覚えてられない
しかし、安心してください。
もちろん幅広く専門用語を理解していることに越したことはないですが、自分の専門領域のシーンで利用される用語だけでも十分です。
例えばデザイナーの方であれば、デザイン制作時に使用されそうな用語だけ覚えておけば、ある程度は問題なく対応できると思います。
また、意味を理解していなくても業務にそこまで支障はない用語などもありますので、そこまで気にする必要はありません。
【50音順】WEB制作の現場で使用される専門用語64選
WEB業界での基本用語
ASP(アプリケーションサービスプロバイダー)
インターネットを経由してアプリケーションやその環境を提供する事業者のことです。「BASE」「Wix」「Shopify」などがこれに該当します。アフィリエイトサービスプロバイダーと同じ綴りなのでややこしいですが意味は全然違います。
ASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)
アフィリエイトの広告の仕組みを提供する事業者のことです。「A8.net」「もしもアフィリエイト」「afb」などがこれに該当します。アプリケーションサービスプロバイダーと同じ綴りなのでややこしいですが意味は全然違います。
CC
Adobeクリエイティブクラウドのことです。「Adobe CC」とも言われます。
CMS(コンテンツマネジメントシステム)
初心者でも簡単にWEBサイトを作成したり更新したりできるシステムのことです。「WordPress」や「MovableType」がそれに該当します。更新頻度が高いサイト制作でよく使用されています。
DB(データベース)
サーバーから受け取ったデータや情報を管理する箱のようなものです。WEBサイトのファイルやフォームの情報などはこのデータベースというところに収められて管理されています。
DONE
完了のこと。作業が完了した時に「終わりました!」と伝える時に使います。FIXと同じ意味で使われます。
FB(フィードバック)
制作物を確認して、修正や改善点伝えることです。制作側は「ここFB来てるから修正しておいて!」みたいな感じで言われたりします。
FIX
完了のこと。作業が完了した時に「終わりました!」と伝える時に使います。DONEと同じ意味で使われます。
LP(ランディングページ)
商品やサービスの紹介を縦長の1ページ完結型で行うページのことです。多種多様な業界で活用されています。
セールスライティングなどと掛け合わせて多くの制約を取ることを目的としており、集客を行うにあたって無くてはならない手法の一つです。
SaaS(Software as a Service)
クラウド上で提供されるソフトウェアのことです。ChatWorkやSlackなどがこれに該当します。
SSL(Secure Socket Layer)
データ通信暗号化のことです。近年のWEBサイトはSSL化が必須で、httpではなくhttpsから始まるURLになっていると思います。
TDK
タイトル、ディスクリプション、キーワードのことで、それぞれの頭文字を並べただけです。
あしらい
装飾のことです。「そこのあしらいテコ入れしといて」みたいな感じで使います。
モバイルファースト
スマホ向けのページを制作するという意味ではありません。近年はWEBサイトを訪れるユーザーの端末のほとんどがPCではなくスマホなので、「スマホユーザーの環境や操作性の最適化」という意味で、スマホの操作性を向上することでページの離脱を防ぎたい時などに使用する用語です。
アイパス
ID(アイディー)とPW(パスワード)を省略しただけです。
アクティブ
適切に表示され、操作可能な状態のことです。「そこのボタンはアクティブになってる?」みたいな使い方をします。
キャッシュ
テキストや画像などのWEBページの情報を保存する仕組みのことです。クッキーと似ていますが保存する情報が違います。
サイトの更新がされない時は大抵キャッシュのせいにしてこっそり裏で更新忘れを誤魔化すのはあるあるですよね(笑)。
クッキー
サイト内に入力したIDやパスワードなどのユーザーの個人情報を保存する仕組みのことです。キャッシュと似ていますが保存する情報が違います。
サーバー
データや情報を提供するコンピューターのことで、個人や企業はレンタルサーバーなどを利用してWEB上にサイトを公開します。サーバーにはWEBサーバーやDBサーバーなどがあります。
テコ入れ
改善のことです。WEB業界だけじゃなくて幅広い業界で使われている言葉ですね。
ドメイン
インターネット上の住所のことです。「.com」「.co.jp」「.org」など色々見ると思います。独自ドメインを取得すれば@以降の部分を自分で好きに変更できます。例:@freeate.comなど
プライオリティ
物事の優先順位のことです。マルチタスクを行う際などで重要度の高いものなどは「プライオリティが高い作業」という感じで言います。
デザイン・コーディングの現場でよく使う用語
EFO(Entry Form Optimization)
エントリーフォーム最適化のことで、フォームの入力完了率を高めるために行う施策のことを言います。商品のカート購入などでも、クレジットなどの入力フォームや個人情報の入力フォームがあると思いますが、その部分が分かりにくければユーザーは途中で入力を辞めてしまうため、そういった離脱を防ぐためのものです。
FW(ワイヤーフレーム)
WEBサイトの設計図のことです。デザインやコーディングに入る前に作成する非常に重要なものです。
FV(ファーストビュー)
ユーザーがWEBサイトに訪れた時に一番歳の表示される画面部分のこと。FVを魅力的なものにすることで、ユーザーの興味関心を引き出し離脱を防ぎます。MVと一緒に使用されることが多いです。
KV(キービジュアル)
WEBサイトのメインとなるTOP画像のことで、MVと同意義語になります。「MVとKVどちらを使用したらいいの?」という疑問が出てきますが、どっちでもいいです。一般的にはMVが主流な気がします。
MV(メインビジュアル)
WEBサイトのメインとなるTOP画像のことです。FVと一緒でここも非常に重要な要素になります。
SEO(Search Engine Optimization)
検索エンジン最適化のことで、Googleなどの検索エンジンの検索結果を上位表示させるために施策を言います。WEBサイト制作では必ずこのSEO対策が必要になってきますので、深く理解しておきましょう。
UI(ユーザーインターフェース)
ユーザーがWEBサイトを快適に閲覧できるようにしたビジュアル設計のことです。トンマナや、テキストの情報量、余白など様々な部分がUIに該当します。
UX(ユーザーエスクペリエンス)
サイトを利用する際の使いやすさや全体の印象などのユーザー体験のことです。ちなみにUXを改善するにはUIの改善も必須なので、UIとUXは一緒に使用されることが多いです。
アコーディオン
項目をクリックすると中身が開閉するメニューのことです。メニューの伸縮具合が楽器のアコーディオンを連想させるためこの名称になりました。
アテ
仮で入れることです。ダミー画像などを入れてほしい時などは、「そこダミー画像アテといて」のような感じで使用します。
アンカー
アンカーリンクのことで、クリックすると指定の場所へ移動できるリンクのことです。同じ意味で「ページ内リンク」とも言われたりします。
インデックス
WEBサイトが検索エンジン(Googleなど)に表示されるようにすることです。
イキ
そのまま生かすということ。ママと同じ意味です。
カラム、コラム
段組み要素のことです。二つの要素がある時は2カラム、三つの時は3カラムという感じで使用します。
カンプ
完成品という意味です。WEBサイトデザインの完成品のことを「デザインカンプ」と言ったりします。
グロナビ(グローバルナビゲーション)
WEBサイトの全体に共通で配置されているリンクのことです。サイト内の主要なページにリンクされており、WEBサイト上でユーザーの案内を担っているのがグロナビになります。
サイトマップ
WEBサイト全体のページ構成を一覧で表示したページのこと。
トリ、トル
取ることです。要素を削除してほしい時に使います。
トルツメ
取って詰めるの略です。要素を削除した部分を詰めてほしい時に使います。
トンマナ
トーン&マナーの略です。サイト全体の色味や雰囲気の一貫性を持たせたい時に使います。
ハンバーガー
スマホ画面の上にある三本線のナビメニューのことです。ハンバーガーみたいな見た目なので「ハンバーガーメニュー」と言われたりします。
パンくず
今いるページの場所を示す誘導表示のことです。
- ホーム > 記事ページタイトル
みたいな表示をみたことあると思いますが、この部分のことを指します。
プルダウン
クリックやホバーで下側に展開されるメニューのことです。アコーディオンと混合しがちですが、若干動作が違います。
フッター
一般的にはWEBサイトの下側にあるナビゲーションやコピーライトの記述がある部分のことです。ただ、範囲は制作するページによって結構曖昧な場合が多いです。
ヘッダー
一般的にはWEBサイトのMVの上側にあるロゴやナビゲーションの記述がある部分のことです。ただ、こちらもフッターと同じで範囲は制作するページによって結構曖昧な場合が多いです。
ペライチ
1ページのことです。ちなみにLPも1ページですが、意味は全然違います。
ママ
そのまま(現状維持)でOKという意味です。
マージン
余白のことです。なぜマージンというのかというと、コーディングで余白をCSSで作る時にmargin(マージン)というプロパティを使用するので、そこからきています。
ラフ
下書きのことです。FW(ワイヤーフレーム)と混合しがちですが、簡単に言えばラフは雑な設計図、FWは細かい部分も可視化させたしっかりした設計図です。
リダイレクト
別ページから任意のページに自動で移動させる仕組みのことです。サイトのURLが変わった時や、古いページから新しいページに飛ばしたい時などによく使用されます。
レスポンシブ
異なる画面サイズでのレイアウトを調整することです。PC、タブレット、スマホの中でも画面サイズがバラバラなので、どんな画面サイズでも綺麗にサイトが見えるように、操作性が悪くならないようにデザイン、構築していくレスポンシブデザインが今のWEB制作では必須スキルとなっています。
先祖返り
更新前の状態に戻っていることです。数時間かけて行った構築が先祖返りを起こしたりすると絶望します。
マーケティング現場でよく使う用語
A/Bテスト
複数のパターンを検証(テスト)することです。バナーや広告のクリック率やサイトの成約率などを上げるために、複数のパターンを検証してその中で成果の高いものへ最適化することを目的として行います。
CPC(コストパークリック)
平均クリック単価のことです。広告を見たユーザーがクリックする毎の費用指標になります。
CV(コンバージョン)
獲得数のことで、ユーザーがアクションをした数を指します。例えばECサイトだと商品購入がCV数に該当します。
CVR(コンバージョンレート)
成約率のことでCVをクリック数で割った数値のことです。WEBマーケティングでは最もおいって良いほど重要視されるものになります。費用対効果を測る上でも重要な指標なので、多くのWEBサイトはこのCVRを上げるためにあらゆる施策を練っていきます。
CTR(クリックスルーレート)
クリック率のことを指します。インプレッション(表示回数)に対してどれくらいクリックされたかを%で数値化します。100回表示中0回クリックだと0%で、100回表示中50回クリックだとCTRは50%です。
KGI(Key Goal Indicator)
重要目標達成指標のことで、簡単にいうと最終的な目標のゴールです。ただし、ゴールだけ設定しても何もできないので、KPIと共に設定します。
KPI(Key Performance Indicator)
重要業績評価指標のことで、簡単に説明するとゴールまでの目標数値のことです。KGIと混合しがちですが違います。KGIのみでは失敗するので、KPIとKGIの両方を設定することが大切です。
LPO(Landing Page Optimization)
ランディングページ最適化のことです。LPの直帰率を下げたりCVRの向上を目指したりするマーケティング手法のことです。
PV(ページビュー)
アクセス数のことで、サイトの訪問者が閲覧した全てのページ数のことを言います。UUとは範囲が違うので、間違えないように注意してください。
UU(ユニークユーザー)
来訪者のことで、決まった期間内にWEBサイトや特定のページに訪れたユーザーの数を指します。UUが多いほどサイトに興味を持っている人が多いということです。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今までよくわからずに使っていた用語の意味が理解できた方もいると思います!それぞれの専門用語に対しての解説はそこまで深く説明していないので、気になる方は個人的に調べてみてください!
ぜひ、専門用語をきちんと理解して日頃の現場で活用し、できるだけ円滑にコミュニケーションをとれるようにしておきましょう!
ちなみに、WEB制作をこれから学びたい、学習中だけど効率の良い方法を知りたいなどありましたら、以下の記事が参考になると思いますので、興味のある方は読んでみてください!